「2位ではダメなのか」という仕分け人の言葉が波紋を呼んだ次世代スーパーコンピューター(スパコン)の開発だが、実は「仕分け」以外でも大きな曲がり角を迎えている。スパコン開発は、理化学研究所(理研)を中心に産学協同で行われてきたプロジェクトだが、3社いた民間企業のうち2社が経済情勢を理由に撤退。計画の見直しを強いられることになり、撤退した企業に損害賠償を請求する方針だというのだ。 次世代スパコンは、総額1150億円を投じて、神戸市中央区のポートアイランドに建設。2010年度末から稼働させる計画になっていた。 撤退条項は入れていなかった 計画では、NEC・日立グループが気候変動予測に強い「ベクトル型」と呼ばれる形式を、富士通は遺伝子解析などに向くとされる「スカラー型」と呼ばれる形式を担当することになっていた。ところが、09年5月になって、NEC・日立グループが業績不振を理由に事業から撤退を表明。