「 大手メーカーなどから部品加工の外注を受けた協力企業は,その部品が実際にどう使われるのか分からないことがほとんど。図面にあいまいな部分があっても,なるべく精度を高く出しながら加工してしまう」。こう語るのは,多くの中小加工業者の実情をよく知る,海上技術安全研究所環境エンジン開発プロジェクトチーム/機関システム開発研究グループグループ長の平田宏一氏である。 現在は不適切な公差指示でも,なんとか日本のものづくりは成り立っている。その背景には,度重なる擦り合わせの経験を持ち,優れた技術力・応用力を兼ね備えた生産現場の存在があった。だからこそ,あいまいな図面でも不具合の発生しない部品を造ることができていたのである。 あいまいさが残る寸法公差 しかし今後,グローバルなものづくりを実現していくには,どの国の,どんな経験を持った人が,どのような機械を使って加工しても,最終的に同じ品質の部品が手に入るよう
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