【北京=野口東秀】中国黒竜江省鶴崗市の炭鉱事故は、公式発表で死者が104人(23日現在)に達する惨事となった。中国では、「掘れば掘るほどもうかる」といわれる炭鉱を官商が結託しむさぼり、ずさんな安全管理が社会問題化している。 国営新華社通信などによると、21日未明に発生した事故はガス噴出が原因とみられ、炭鉱の責任者は更迭された。 中国では経済成長にともない、石炭の需要が急増、「土皇帝」と呼ばれる炭鉱主と地元幹部や警察官らが結びつき、私益を追求する構図となっている。昨年末には最大の石炭生産地、山西省で元副市長が炭鉱の違法操業を故意に見逃し500万元(約6500万円)以上のわいろを受領し懲役14年の判決を受けた。今回の事故も最高人民検察院(最高検)が腐敗を視野に捜査に着手した。 新華社電によると、全世界の石炭の約37%を生産する中国での炭鉱事故死者数は、世界の約70%も占める。生産量100万トン