広島県府中市の真言宗安楽寺で、毎夕、鐘を突いて夕暮れを知らせる犬がいる。 近くの檀家(だんか)、橘高(きったか)勝則さん(58)が飼っているコーギー犬・マッシュ(雄、6歳)。引き綱をくわえ、懸命に体を揺らして、ゴーン、ゴーン。5年前から始め、雨の日も風の日も欠かしたことがない。信心深さに感心した住職は、マッシュを同寺の<鐘突き犬>に公認した。 橘高さんによると、同寺と近くの神社がマッシュの散歩コース。1歳の頃に神社の鈴ひもをくわえて鳴らし始め、数か月後には、同寺の鐘を突くようになった。 夕方、マッシュは境内に入ると、鐘楼までダッシュ。一目散に石段を駆け上がって引き綱に食いつき、後ろ脚で立ち上がって何度も鐘を突く。疲れると、しばらく休んで息を整える。