中国のウイグル地区で生産されている“新疆綿”を巡って、世界が揺れている。ウイグル地区での人権問題を発端に、昨年8〜9月にかけて「H&M」や「パタゴニア」などの企業が新疆綿の取り扱いを止めると発表したこと。最近になって中国の国営メディアや政治団体などが激しい非難を行ったことで、中国でECサイトなどで「H&M」が検索できなくなるなどの大騒動に発展している。新疆綿は綿製品の原料である綿花の一品種を指しているため、特定の綿製品の扱いをやめればいいだけのように思えるが、実際には「中国で生産される綿花のうち、実に90〜95%が新彊綿で、実際には中国で生産される衣服の大半に新疆綿が使われている。現実問題、多くのアパレル企業が新疆綿を使わないということは非常に難しい」(商社関係者)ことが、事態をより複雑にさせている。衣料品の約7割を中国生産に依存する日本は難しい局面に立たされることになる。 中国のメディア