愛くるしい顔で野菜や果実などを食い荒らす、特定外来生物「アライグマ」が九州で急増している。環境省によると九州7県の捕獲数(2013年度)は約3000匹と5年前の7倍に急増。全国の捕獲頭数は同1.6倍で九州の増加が際立つ。これまで出没していなかった地域にも生息域を広げており、被害は深刻化する一方だ。現場の不安は募っている。 ワイヤメッシュを巧妙にすり抜けてブルーベリーの実を食べ、枝を折り、かん水チューブもかみちぎる。イノシシ用の箱わなにも侵入し、対策が機能しない――。 15年度捕獲数が824匹と、5年前の約10倍に拡大した佐賀県。佐賀市でブルーベリー70アールなどを栽培する高島勝美さん(68)は「いくら捕まえても減らん。駆逐不可能。手に負えん」と頭を抱える。 アライグマによる被害が表面化してきたのは8年ほど前。「最初は何にやられているのか分からなかった。わなにかかって初めて正体が分かった
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