8月30日、日曜日。中村俊輔はエスパニョールの新ホームスタジアム「コルネジャ・エル・プラット」でリーガ・エスパニョーラでの開幕戦を迎える。 マリノスからレッジーナ、そしてセルティックへと移籍し、ついに実現した世界最高峰リーグ・デビューだが、その栄光の裏側には、ある秘密のノートの存在があった……。 初めてスペインを意識したのは、俊輔が19歳のとき。U-20のワールドユースだった。 そのときのノートには相手チームとなったスペイン代表の全員の名前に加えて各々の所属チームが書かれている。敵も味方も多くが20歳の選手の中で、1歳年下だった俊輔は、バルセロナ、レアル・マドリー、バレンシア……と書きながら「来年は僕もこういうビッグクラブに行かなくてはならない」と決意したという。 “中村俊輔のサッカーノート”。それはサッカー界で様々な噂の尾ひれがついて神秘性を帯びていた。いつからつけているのか?