終わりの見えない不況が続くIT業界で、次世代の商機と目される「クラウド・コンピューティング」の輪郭が、いよいよ鮮明に見え始めた。現在、業界は急速な変革を迫られている。そんな風雲急を告げるIT市場で、世界最大のIT企業、ヒューレット・パッカード(HP)は、近年積極的な企業買収を行なってきた。特にITサービス分野で世界第2位となるElectronic Data Systems(EDS)の買収は、HPのクラウド化戦略において重要な意味を持っている。EDSの統合を昨年8月に完了させた日本HPの小出伸一社長は、2010年以降、どのような成長戦略を考えているのだろうか。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 林恭子、撮影/宇佐見利明) 不況が日本IT市場を直撃! それでも景気循環は成長に必須 ――景気低迷が続いた2009年は、IT業界にとってどのような年だったか? こいで・しんいち/日本ヒューレット・パッ