システム開発は、「人と人との強い結び付き」と、開発に向ける「思いの強さ」「やり抜く姿勢」が成功の大前提となる。 呉医療センターの医療情報システム全面刷新の案件には、複数の競合ベンダが入札していた。当初は劣勢だったが、最終的に落札できたのは、プロジェクトを担当した富士通中国システムズ(2010年当時)の甲野義久が、「足繁く呉医療センターに通い、医師と向き合い、丹念にヒアリングを」行った結果だった。途中からプロジェクトに参加した富士通 ヘルスケアソリューション事業本部の山岡弘明は語る。「仮想化とかクラウドとかいう言葉は、どうしても一人歩きしがちです。でも実際には、そういった技術は手段であって、それをやることそのものが目的じゃないんです」「技術中心に考えるとそこが逆転してしまうこともありますが、あくまでも診療のシステムをこう作りますと提案できたのが大きいと思います」――。 本書「挑む力~世界一を
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