長いこと映画業界を牽引するスターの座についているのに決して「消費」されず、人助けをしているところが目撃されたり、さらには哀愁を帯びた“ぼっちキアヌ”がSNSで拡散される稀有な存在のキアヌ・リーブス。ハリウッドで最も働き者で、好感度の高い俳優の一人だ。彼のキャリアのマイルストーンの一つである『マトリックス』シリーズの最新作『マトリックス レザレクションズ』の公開を機に、英紙「ガーディアン」が思慮深いことで知られるスターに接近した。 『マトリックス』は配信で観るな キアヌ・リーブスは両手で顔を覆っている。抱えた頭を揺らすと、長い漆黒の髪が左右に揺れる。57歳になるリーブスは、新作映画『マトリックス レザレクションズ』(2021)の公開を控えている。今世紀初頭にブロックバスター映画の根幹を揺るがした映像派三部作『マトリックス』(1999)、『マトリックス リローデッド』(2003)、『マトリック