みんながしあわせな「新しい経済」について語ろう。メキシコとイギリスで進むローカル化が、地域にもたらした変化 今、グローバリゼーションによって一部の人や大企業のためのものになってしまった経済を、市民が自らの手でローカル(地域)に取り戻そうとする動きが世界中で生まれている。そうしたローカリゼーションへのシフトを軸に、「しあわせの経済」を実現しようと提唱するのが、環境=文化活動家の辻信一さんだ。世界のローカルな動きをつなぐため2018年11月にメキシコとイギリスから来日した二人とともに、これからの「新しい経済」について考える。 「経済」や「豊かさ」が問題を引き起こしている ――まず、「しあわせの経済」とは、どういう考え方なのか、辻さんから教えていただけますか。 辻 今、世界中でコミュニティが壊され、地球温暖化や環境破壊が進み、人類の存続さえ危ないという危機的な状況です。僕はずっと、この現代を支配