大口取引先幹部でさえ「破綻」をニュースで知り、怒りに震えた。関係者の信頼を裏切ってまで彼が守ろうとしたのは、きっと己のプライド—。漂う「腐臭」を隠そうとして、迷走劇は幕を開けた。 丸川珠代と浮名を流して 受付には10名以上の社員が一列に並び、訪れる債権者たちに頭を下げながら資料を配る。会場の扉ごとに社員が警備員のように立つ厳戒態勢が敷かれている。東京タワー近くのイベント会場『メルパルクホール』。白元(東京都台東区)の債権者説明会が開催されたのは6月3日のことだ。 開始時刻の14時前から債権者たちが続々と会場入りし、1582席の客席を備えたホールが埋め尽くされていく。この日の最高気温は28・9度。背広を脱いだワイシャツ姿の債権者たちは座席につくと、汗をぬぐう暇もなく、配られたA4判17ページに及ぶ資料に必死に目を走らせる。 次々とため息が漏れた。 「'14年3月期の最終赤字が62億円だなんて