インターステラーはとてもドメスティックな映画だと思います。 外宇宙の冒険を描いた169分の顛末に至るまで、わたしの精神は地上から一ミリたりとも離れることがありませんでした。 Twitterの感想の方ではついつい「これはSFじゃない」などと書いてしまったのですが、これはまぁ、半世紀前から変わらぬ SF原理主義ブタ野郎の偏狭な妄言だと思っていただいて構いません。 ですが、そもそもクリストファー・ノーランは宇宙に興味がない、というのは外していないと思います。 ノーランという人はとても奇妙な監督です。CG嫌いの現物主義。ではリアリズムの人なのかと云えばそんなことはない。 彼が描くのはいつも寓話です。あっけらかんと明け透けに描かれる「現物」がいつも観客の判断を狂わせがちですが、 ノーランの描くものはいつも照度の高い、現実「っぽい」絵面で描かれた寓意をたっぷり含んだ御伽噺のような気がします。 インター