世の中には天才児とよばれる子どもが稀に存在する。ゲノム解析ツールG-languageの開発者、慶應大学特任講師の荒川和晴氏も、少年時代にきっとそうよばれていたに違いない。 4台のスクリーンで解析作業をする荒川氏 (慶應大学湘南藤沢キャンパスにて) 研究室はコテージのような造りになっている 「なぜ世界中の人々は神や宗教を作りだしたのか?その思考の源となる脳のメカニズムはどのようになっているのか?」 こんなナイーブな疑問を持ったことが、生命科学の道に進んだきっかけだ。高校時代に北米の数学コンテストで3位をとり、大学入学時には教授から超高校級とよばれ、大学院修士課程入学後に3年半で博士号を取得した荒川氏。 そんな人並み外れた経歴をもつ彼が今、クマムシにはまっている。彼には、生命現象を数学的に定義づけたいという野望がある。そして、クマムシは、この野望を成し遂げるための最適な研究対象なのである。 ク