老害とは、経験に基づく判断にのみ過度な信を置くことによる弊害のことです。わかりやすくいうと、年齢を重ねることにより頭が悪くなって、抽象的・論理的思考ができなくなってきて、経験的にしか物事を判断できなくなってしまうということです。 具体的にそれは、純粋なスペック的な意味での能力だとか頭のよさ、瞬発力、発想の柔軟さ、考えの実直さなど、若いひとが主に持つ特質に敬意を払えないという症状として現れます。そこで勝負すると必ず負けるという無意識による、防衛反応です。 経験は、よい判断にとって重要なことではあります。しかし経験は、どんなひとでも、ただ生きているだけで増えていきます。もちろん、その量や質にそのひとの人生が反映されるわけですが、ま、ひとひとりの人生なんてたいしたものではありません。 また、経験に基づく判断は、反証不可能です。正確には、経験に基づく判断が、反証可能な形で示されることはありません。