去年の6月、とつぜんそいつはやって来た。 プロジェクトに人が足りなくて、上長が別のプロジェクトから連れて来た。 はじめは普通のエンジニアの男の子だと思って、普通に仕様の説明をしたり、 からかったりしていた。 そいつはよく遅刻をし、大事なプレゼンの朝来なかったりした。 その度に自分がLINEを打ったり電話で呼び出したりしていた。 手のかかるどうしようもないやつだと思ってた。 だが仕事は速かった。 スキルも高かった。 だから余裕ぶっこいてたんじゃないかと思う。 プロジェクトが佳境に入って、よく2人で深夜まで残業したりした。 ある夜、そいつがカレーを買いに行くって言うから、 私の分もついでに買って来てくれるように頼んだ。 そいつの買って来てくれたカレーを食べながら、とつぜん、 そいつのことが好きだと気が付いた。 それから本当に大変だった。 何が大変かって、プロジェクトは佳境、 毎日大量のバグが見