(英エコノミスト誌 2015年1月24日号) 知的資本の重要性が増すにつれ、特権は親から子に受け継がれるものになりつつある。 共和党の大統領候補者指名争いに名乗りを挙げた立候補者が8月に最初の討論会に臨む時、父親も大統領選に立候補したことがある者が3人いるかもしれない。 ここで誰が指名を勝ち取るにせよ、2016年の大統領選では、元大統領の妻と対決する公算がある。 特権的地位の相続に反対する理念を建国の基礎とする国が、これほど世襲に寛容なのは奇妙なことだ。米国には、王や領主を頂いた経験がない。そのせいか、エリート層が固定されつつある兆候があっても、さほど気にしていないように見えることがある。 トーマス・ジェファーソンは、美徳や才能に恵まれた人たちから成る自然発生的な特権階級と、富や出生の上に成り立つ人為的な特権階級とを区別し、前者は国家にとって恩恵だが、後者は国家を徐々に窒息させるものだと考