かつてシャープは、「液晶のシャープ」として一世を風靡した。 ところがいま、過剰な設備投資に加え、主力商品の液晶テレビや太陽電池で 赤字に歯止めがかからず、深刻な経営不振に喘いでいる。 数年前まで液晶テレビ「AQUOS」が飛ぶように売れていた状況からは、 にわかに信じがたい凋落ぶりだ。 この状況を受けて進められた台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業との資本業務提携も、 シャープ株の急落を受け、出資を棚上げされている。 このため、2013年3月期には、最終赤字が2500億円へと大幅に拡大するとの 予想を発表。 創立100周年を迎えながら、シャープは創業以来最大の危機に直面しているのだ。 しかし、経営不振はシャープに限ったことではない。 日本の電機産業が軒並み深刻な業績悪化に陥っている。 パナソニックは3万6000人、ソニーやNECは1万人規模の大幅な人員削減を 打ち出している。日本の電機産業全体が危