◇大魔神か、巡礼地か 「なんだあの見苦しいものは?」。この春、ローマから4年ぶりに帰国し「東京スカイツリー」を初めて目にしたときの第一印象だ。そんな話を周辺にすると、「えっ」「何言ってんの」という反応をされた。60歳代の同僚記者には「そんなこと言ったら『非国民』って言われるぞ」と半ば冗談、半ば本気で諭された。それでも私の目には大魔神のように見える。あの「世界一の電波塔」は本当に必要なのか。【藤原章生】 ◇高さ競争「くだらない」 そもそも必要だった? 22日の開業を前に、メディアもスカイツリーで大騒ぎだ。大多数の声に惑わされず社会を見てきたこの人なら意見が合うだろうと、作家、曽野綾子さんに電話をしてみた。 「あれですか? 私はわざわざ見に行きません。どうしても電波塔が必要なら仕方ないんでしょうけど、まず、その辺をお調べになって、それから話をしましょう」と言われた。私はテレビが嫌いでめったに見