男女各1階級を残し、いまだに「金なし」が続く日本の男子柔道。エース穴井でさえも悪い流れを断ち切れず、望みは最終日の100キロ超級、上川大樹に託されることになった。1988年ソウル五輪以来の異常事態に、海外メディアも強い関心を寄せており、迫る“Xデー”をあおる動きもみられる。 当初の見込みは男女で計6個。男子の篠原信一監督は「60、66、73キロ級がカギ」と軽量級でのスタートダッシュを描いていたが、目算は狂った。上川の出る100キロ超級には、世界選手権4連覇中のリネール(フランス)ら強敵がそろう。上川は対照的に、2度の代表選考会で敗退しながら“消去法”で選ばれた。金を当てにできる状況には遠い。 全柔連会長で日本選手団の上村春樹団長は「柔道の不振が日本選手団に影を落としているのは間違いない。柔道で金6個はほしかった」と落胆の色をにじませる。日本選手団が目標とする「金メダル数で世界5位」には15