中国漁船によるサンゴ密漁問題で、海上保安庁は21日から取り締まりに当たる巡視船を大幅に増やし、一斉摘発を始めた。領海外に漁船を追い出す手法から、夜間の領海内での操業を積極的に摘発する方針に転換。未明に中国人船長(44)を外国人漁業規制法違反(領海内操業)の疑いで現行犯逮捕した。夜間操業の摘発は10月以降初めて。 太田昭宏国土交通相は同日、閣議後の記者会見で「漁船を排除できる態勢を整える」と述べ、小笠原諸島周辺に20日時点で47隻いた漁船を一掃する方針を明らかにした。 中国のサンゴ密漁船はピーク時、伊豆諸島周辺も含めて計200隻超がひしめく一方、巡視船は2、3隻程度だった。摘発すれば取り調べなどに人手が割かれることもあり、海保はサンゴの採れる浅い領海から密漁船を追い出すことを優先。10月以降の摘発は8隻にとどまっていた。