独立行政法人「原子力安全基盤機構」(JNES)が原子力規制庁に統合される際に、政府が同機構職員の3割以上を占める60歳以上の技術者約170人に一斉に退職を求めることが3日、政府関係者への取材で分かった。統合でJNESの技術者の身分は国家公務員になるが、現在の国家公務員制度では大勢の高齢技術者を雇う仕組みがないためだ。新たな法的措置がなければ、専門知識や技術の喪失につながり、原発の廃炉や審査などに支障が出かねない。 昨年9月に発足した原子力規制委員会の事務を担う規制庁には、原発の現場を担う人材が少なく、専門技術を持つJNESと統合することになっている。規制庁発足時から合流する計画だったが、国家公務員を減らす政府方針と逆行するとして統合が遅れていた。 統合の議論は今年から本格化する。原子力関連の独立行政法人の統合を検討してきた内閣官房原子力規制組織等改革推進室は「60歳以上のJNES職員は、原