「ことば」にたいする姿勢が、変わった。印刷されたものを不変とみなし、ありがたがってたのは昔話。いつから変わったか? ワープロが普及してキーボードがあたりまえになってから。ネットに向かってことばを紡ぐようになったから。本は変わらないが読み手は変化することに気づいてから。しかも時代に解釈しなおされることが分かったから。 そのうえ、寺山修司の「名言などは、シャツでも着るように、軽く着こなしては脱ぎ捨ててゆく」は効いた。言葉で殴り倒されて、ぐさりと胸を一突きされて、その傷手に塗られた薬のように効いた。 要するに、ことばが古びるのではなく、わたしが変わる。合う/合わないを着て確かめればいい。箴言とか金言のレッテルは措いといて、まず遣ってみよう。 勤勉な馬鹿ほどはた迷惑なものはない ホルスト・ガイヤー「人生論」 どの時代でも「勤勉な馬鹿」はいたが、この時代だけ特異なことに、テレビやネットで拡大されてよ