京成電鉄が約46年間運行した電車「3300形」が28日、引退した。「さよならイベント」が行われた京成成田駅(成田市)のホームには、最後の雄姿をカメラに収めようとする約600人の鉄道ファンが殺到し、押されて転ぶ人が出るなど一時、混乱した。 1968〜72年にかけて製造された京成の通勤型電車。都営地下鉄1号線(浅草線)乗り入れ用電車として登場した3000形の流れをくみ、初期の塗装にちなんで「赤電」の名称で親しまれたが、老朽化に伴い、廃止されることになった。 この日は70年当時と同じ「特急成田山」のヘッドマークを付けて、京成上野駅(東京都)を出発。午前11時40分過ぎに京成成田駅に到着したが、写真を撮りたいファンが「押さないで」という社員の制止を聞かずに押し合う危険な状態に。子供が人ごみの中で圧迫され、ファン同士の怒号も飛び交って後味の悪い引退劇となった。【早川健人】