W杯に出場する日本代表の壮行試合は、演劇でいうところのゲネプロにあたる。国内で見せる最後のリハーサル。最終チェックの場だ。半分期待を寄せつつも、半分厳しい目で見つめる、いわばダメ出しの場だ。スタンドに駆けつけるべきは、良いプレイには拍手、悪いプレイにはブーイングができる、愛情溢れる目の肥えたファンだ。単純なクロスに大歓声をあげたり、大久保の登場に黄色い声援を送るファンではない。 W杯の壮行試合はこれが5回目になるが、観衆の批評精神は98年、2002年より低かった。場内のムードは過去最低といいたくなるほど緊張感、緊迫感に欠けていた。W杯で上位進出をもくろむ集団を応援するに相応しい観客とは言えなかった。昨日ファンになった人も、何十年も応援している人も、チケットを横一線になって「ヨーイどん」で購入するネット販売の仕組みに問題ありと言いたくなる。 キプロス戦に先発フル出場した本田圭佑 とても素人っ