安倍総理大臣が2017年4月に消費税率を10%に必ず引き上げることを公約として衆議院総選挙に臨むことを表明しました。 記者会見では「15年間の暗い混迷のデフレの時代に戻るわけにはいかない」と語っていましたが、これは事実認識として正確とは言えません。日本経済全体としては、デフレの時代は「暗い混迷」ではありませんでした。 インフレ率と失業率は逆相関にありますが、2003→08年と2010→14年の失業率低下はデフレ局面で生じています*1。マイルドなデフレなら景気拡大は可能であり、「とにかくインフレにすること≒リフレ政策が日本経済への処方箋」ではないことを示唆します。 次のグラフは、完全失業率の上昇局面(1992→2002年)と低下局面(2003→2007年と2010→2014年)の実質GDPのトレンド成長率を示したものです。 ①+0.8%(不況)、②+1.8%(好況)、③+1.6%(好況)とな