戦線離脱した田中賢介の穴を見事に埋めた、入団2年目の西川遥輝 ファイターズのGM、山田正雄は今シーズンの終盤、他球団のある関係者にこんなふうに訊ねられたのだという。 「あのセカンドを守っている西川って、どこの選手でしたか」 「西川? あれは智弁和歌山だよ」 「智弁......和歌山? えっ、智弁の西川? 彼はたしか、外野手でしたよね」 ここで山田がほくそ笑んだかどうかは定かでないが、内心、ニンマリしていたことだけは間違いない。 西川遥輝、20歳。 智弁和歌山からドラフト2位でファイターズに入団したプロ2年目の西川は、走攻守、三拍子揃ったセンス溢れるプレイヤーとして高校1年から3年連続で夏の甲子園に出場。早くから全国的のその名を知られたプレイヤーだった。しかしながら2年の春からは外野を守っていたため、西川は外野手だというイメージが強く、プロで内野手として登録されたことに驚きの声は少なくなかっ
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