バランスボールのような大きな球に乗り、まるで浮いているような乗りもの――。諏訪東京理科大学(茅野市)の星野祐(たすく)教授が、体の重心を前後左右に傾けるだけで、行きたい方向に進める搭乗型ロボット「オムニライド」を開発し、実用化をめざしている。 オムニライドは、「セグウェイ」に代表される1人乗りの次世代型電動自動車(パーソナルモビリティー)の一つ。表面にゴムを張った直径31センチの球の上に、自転車のシートとハンドルを付けただけのシンプルな外観だが、球を回転させる制御技術に肝がある。 秘密は、車体の底部で球を抱え込む、三ツ股の突起だ。球と接する面に、全方向に動く特殊な車輪「オムニホイール」が3組ついていて、車体は球の上に乗ったまま、バランスを取りながら進む。 姿勢が安定するのは、車体に付けたジャイロセンサーのおかげだ。3方向の傾きと、倒れようとする速度を計測し、直立し続けるために必要な動きを計