いつまでも続くはずがない 円高株安という見たくもない光景が日本市場に立ち現れたのは、1月半ばのことだった。 きっかけを作ったのはスイス。スイスの中央銀行は通貨スイスフランがユーロに対して高くならないように為替市場への無制限介入という政策を行っていたが、これを突如終了すると発表。大混乱に陥った投資家が株などのリスク資産を売る一方で、安全資産である円や日本国債への資産逃避に雪崩を打ったのである。 メディアはこの事態を「有事の円買い」と解説。スイス・ショックの余波は時の経過とともにおさまり、為替は再び円安基調に戻っていくと説明している。 しかし、そんな「安全報道」を鵜呑みにしていられない事態が水面下で進行していることはあまり知られていない。 FXプライム・チーフストラテジストの高野やすのり氏が言う。 「スイス・ショックを契機に、投資家の間で中央銀行をどこまで信用していいものかという疑心暗鬼が広ま