東京電力福島第一原子力発電所の廃炉対策などを検証する国際原子力機関(IAEA)の調査団が4日、同原発の汚染水について、除去が難しい放射性物質のトリチウムなどを国の基準値以下に薄めたうえでの海洋放出も、選択肢として検討するよう、政府と東電に助言した。 放出には、地元関係者などの合意や、健康と環境への影響の評価、原子力規制委員会による認可が必要だと指摘した。 フアン・カルロス・レンティッホ団長は記者会見で、安全性を確認しての海洋放出は「世界中でよくとられる手法」と述べた。調査団は4月の視察でも海洋放出に言及したが、汚染水の貯蔵容量が限界に近づいている現状を踏まえ、今回はより具体的な助言になった。また、同原発沖での海洋の水質調査の精度や手法については、おおむね評価。福島県沖の海産物などは「素晴らしい監視システムが構築され、安全性は確保されている」と強調した。