都内で発見した超高濃度セシウムを含む「黒い物質」。子どもが指で触った跡があった。原発事故後の福島の状況を取り上げた『美味しんぼ』へのバッシングは凄まじいものがあった。なにしろ、石原伸晃環境大臣が「専門家によって、今回の事故と鼻血に因果関係がないと既に評価されており、描写が何を意図しているのか全く理解できない」と発言したのに続き、安倍首相自ら「根拠のない風評被害には国として全力を挙げて対応する必要がある」とまで、言い切ったのである。いくら人気の漫画とは言え、異例の姿勢だと言えよう。思い起こせば、’04年のイラク日本人人質事件の際も、官邸から事件被害者を批難する発言の後、こぞって新聞、テレビ、雑誌、そしてネットと、バッシングの集中砲火が行われた。過剰なバッシングは、むしろ政権がその件について、非常に神経質になっていることを露呈させるものである。 ◯進歩のない一部マスメディアの鼻血論争さて、問題