財務省は10日、電子決済の普及により硬貨の物理的な意味が薄れてきたことを理由に、現在発行している硬貨6種類を来年度から1円硬貨サイズに統一すると発表した。急激な円安による原料費の高騰が影響しているとの見方もある。 財務省では「物理的な貨幣を必要としない電子時代では硬貨の持つ意味が大きく変わりつつある」として、第2次安部政権発足以降、電子決済時代に対応した硬貨のあり方について検討してきた。その結果「硬貨に使用する金属をすべてアルミニウムに置き換える」、「硬貨のサイズを縮小する」の2案が浮上。最終的にサイズ縮小の方針を打ち出した。 発行済み硬貨との互換性を確保するため、デザインは現行のまま全ての硬貨を1円サイズに縮小。これにより財布のふくらみを40%、重量も30%減らせるようになり、持ち運びの利便性が高まるとしている。本格的な鋳造は来年1月からの見込み。 貨幣経済に詳しい京都大学文学部の坂本義