ミカンからのバイオ燃料作りに、三重大学大学院生物資源学研究科の研究チームが成功した。ガソリンエンジンに入れると、小さな車を動かせた。出荷できないミカンを生かしたこの燃料を、農作業用の草刈り機に使うなど、エネルギーの地産地消を目指す。 傷ついたり腐ったりして出荷できない実やジュースの搾りかすで、バイオ燃料ができないか――。三重県南部、御浜町の名産のミカンに田丸浩(ゆたか)教授(47)=生物工学=の研究チームが目をつけた。「ミカン農家が出荷できない実の処理に困っている」と聞きつけ、昨年度から実験を始めた。 容量2~10リットルのタンクに規格外の実や搾りかすと、木材チップから分離された「クロストリジウム・セルロボランス」という微生物を入れる。この微生物は植物繊維の主成分セルロースを効率よく分解し、発酵しやすい糖に変える。別の微生物を加え糖を発酵させると10日間ほどでミカン燃料ができる。原料約3キ