米国のSFの文学賞「フィリップ・K・ディック賞」が米シアトルで18日(現地時間)に発表され、芥川賞作家、円城塔さんの小説「Self―Reference ENGINE」(ハヤカワ文庫)が次点にあたる特別賞を受賞した。ディック賞は米国でペーパーバックとして刊行されたSF小説の年間最優秀作に贈られる賞。2011年の故伊藤計劃(けいかく)さんに続き、日本人による特別賞受賞は2人目。 円城さんは1972年生まれ。2006年、小松左京賞最終候補にもなった「Self~」でデビューした。純文学とSFを横断した作風が特徴で、12年に「道化師の蝶(ちょう)」で芥川賞。伊藤さんとの共著「屍者(ししゃ)の帝国」で日本SF大賞特別賞を受けている。 受賞作は、時間が凍りついた世界を舞台に、こめかみに弾丸が埋まった女の子の話や、26人の数学者が美しい定理を思いつく話など、20の短編が関連し合う連作集。 日本のSF小説は