試合後、腫れ上がったエルナンデスの顔とは対照的に、井上尚弥の顔は綺麗なままだった。無傷で世界を獲った怪物はどこまで上るのだろうか。 怪物と命名された20歳の井上尚弥(大橋ジム)が4月6日、WBC世界ライトフライ級王者のアドリアン・エルナンデス(メキシコ)を6回TKOで下し、日本最速記録となるプロ6戦目で世界タイトルを獲得した。 高校生で世界選手権に出場。アマチュアの国内最高峰、全日本選手権をシニアを押しのけて制するなどの実績を引っさげ、鳴物入りでプロデビューした井上。プロ入り後も海外のナショナルチャンピオン、日本ランカー、日本王者、東洋太平洋王者とステップアップし、その都度能力の高さを見せつけてきた。それでも世界の舞台、本当に強い選手と戦うまでは「まだ試されていない」と見るのがボクシング界の常識だ。「6戦目で世界挑戦は早い」と見る向きもあった。そんな外野の声を、井上は己の拳でねじ伏せてしま
![井上尚弥、6戦目で最速世界獲得!王者が噛ませ犬に見えた“力の差”。(渋谷淳)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e658f21c50eb01fa3af1ec4946c26500f7e12cad/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F9%2F4%2F-%2Fimg_9439f06fee9354dfcb54bb17a55a182b351644.jpg)