シカなどの獣害に悩む滋賀県東近江市池之脇町の集落が、羊の放牧で被害を減らす試みに取り組んでいる。羊の世話や見学などで人が集まることで被害が減り、活動が集落の結束にも効果を発揮している。 池之脇町は市南部にあり、26世帯が住む。集落に隣接して丘陵地や水田が広がり、動物の侵入を防ぐため高さ2メートルほどの柵を山と集落の間に設けた。だが、シカやサルに稲や野菜が食いちぎられたり掘り起こされたりする被害が後を絶たず、耕地面積17ヘクタールのうち2~3割が被害にあっていたという。 羊の放牧は2009年から始めた。永源寺ダム上流地域で行われていた獣害対策を兼ねた牛の放牧がヒントになった。羊なら体も小さくておとなしく、世話や管理もしやすいと目を付けたという。