かたや酒造りの夢をひたすら追い続ける職人肌。一方、お客様至上主義で突っ走るビジネス界の風雲児。水と油のような二人は一瞬交錯し、やがて袂を分かった。国産ウイスキーという宝物を残して。 いまでいう「ダメンズ」 「今度売り出す新商品の『ウイッキー』や」 「なんじゃこれ、ウイスキーと炭酸混ぜたんですか?なんでウイスキーを薄める必要があるんです」 「飲みやすいからや。大衆はウイスキーの味をまだ知らん。これやったら日本人とウイスキーの出会いを見事に演出できると思わんか?大発明やろ」 NHKの朝ドラ『マッサン』で、堤真一演じる鴨居の大将(モデルは鳥井信治郎)とマッサン(玉山鉄二演じる竹鶴政孝)がやりあうシーンだ。 スコットランドでウイスキーの醸造技術を学んで帰国したマッサンは、日本で初めての本格的なピュアモルト・ウイスキーの製造を目指して東奔西走するが、収益が見込めるかどうかわからない事業にカネを出して