自転車の価格が上がっている。原因は円安と中国の人件費高だ。実は、国内で販売されている自転車はほとんどが輸入品。2014年の場合、国内供給に占める輸入品のシェアは89%にも上る。そのほぼ全量が中国で造られた製品だ。 軽快車(いわゆるママチャリ)の輸入単価は2012年には年平均で7246円だった。が、2013年は8684円、2014年は9511円と年を追って上昇している。 中国の部品なしでは成り立たず 1990年ごろはまだ国内生産が9割と、部品から組み立てまで一貫供給体制が維持されていた。ところが輸入関税の撤廃も後押しとなって、1990年代後半から2000年代初頭の間に、安い人件費を生かした輸出主導型成長を志向する中国からの輸入が急増した。わずかに生き残った国内生産も、中国で造った部品なしでは成り立たなくなった。 自転車生産は労働集約的であり、部品も標準化されているため人件費の高い国内に生産拠