これまでの地震学のあり方に疑問を呈す。 「王道は揺れのメカニズムや地殻変動の研究。私も地震波を使って地球内部構造を探究していました。現象の解明が目的で、人間がそこに存在しようがしまいが関係なかった」 そんな地震学に社会も頼ってきた。研究者が予想した地震の規模や場所から津波の浸水範囲を割り出し、避難すべき場所を示したハザードマップを行政は作る。しかし、「想定外」の津波が押し寄せた東日本大震災では、2万人に迫る犠牲者のうち9割以上が溺死だった。 「結局、ぎりぎりまで逃げないんですよ、人は。公式に当てはめて出した答えはリアルじゃない」 ■反省 かくいう自身も以前は、現実感を持たずに語っていた。 2010年4月、当時勤務していた東大地震研究所を宮城県気仙沼市の中学生たちが訪れた。津波の仕組みを解説し、「いざというときは高台へ」と呼び掛けた。 まさか10カ月後に、巨大津波にのまれるとは
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