滋賀県長浜市の鉄工芸作家の男性(42)が地元に残る往時の槍(やり)を基にレプリカを製作し、市内のイベントで展示しようとしたところ、滋賀県警長浜署から「銃刀法に抵触する恐れがある」とストップがかかり、作品は没収。男性は同法違反容疑で書類送検された(起訴は猶予)。戦国時代から鍛冶場として栄えた地域で、男性は貴重な槍を複製で再現し、まちおこしにつなげたいと張り切っていたが、思わぬ“横やり”が入り、無念さを隠せない。秀吉と縁の深い長浜で起きた現代の“刀狩り騒動”の顛末(てんまつ)は…。(桑波田仰太)思わぬ“横やり” 男性が製作したのは、長浜市で戦国時代に多く生産された「草野槍」のレプリカ。「市内に唯一残る草野槍」といわれる槍を地元の神社が所蔵しており、それを参考に「型」を作った。その型でとった高温に熱した鉄の塊を、金づちで何度もたたいて形を整え、表面をやすりで磨いて仕上げた。 こうして実物大に再現