高畑勲監督の『かぐや姫の物語』について、書こうと思う。 内容について相当ネタバレしてるので、未見の人は避けることをお薦めする。 この作品を評して、とある人がこう言った。 「何でかぐや姫は事態を改善するために何の努力もしないの?翁の仕打ちが嫌だったのならちゃんと話し合えばよかったじゃん。それもせずに文句言って逃げてたのは自分の責任だろう」 この人は、随分幸せに育った人なんだな、と思った。 この物語は、いわゆる「毒親」の物語だと私は捉えている。 「毒親」とは、「毒になる親」の略で、文字通り、「成長の妨げになるような仕打ちを繰り返す、子供にとって毒になる親」という意味だ。 しかし、「毒親」の誰もが、「子供を虐げてやろう」などという悪意を以ってなるわけではない。むしろ「子供のためを思って」振る舞ったことが、結果的に子供にとって毒になってしまった、という事の方が多いのではなかろうか。 『かぐや姫の物