今をさかのぼること約20年,日本のPC(というか“パソコン”。もっとさかのぼれば“マイコン”)ゲーム業界には,“スター”のつくプログラマーがたくさんいた。中でも筆頭が,当時日本ファルコムに在籍していた木屋善夫氏である。氏が生み出した,「ザナドゥ」「ソーサリアン」などのドラゴンスレイヤーシリーズ(※1)作品は,発売数か月前から当時のゲーム雑誌がこぞって特集にし,発売後も毎月毎月情報が載り,パソコンゲーマー達を書店へと走らせたものだ。 さて,木屋氏は,ドラゴンスレイヤーシリーズ最後の作品,「風の伝説ザナドゥ」(※2)の開発が完了した1993年,同作の発売を待たずに日本アプリケーション(現クレアンスメアード)に移り,そこで逆鱗シリーズなどを生み出す。しかし,「大逆鱗III」(1998年)以降はPCゲームを発表しておらず,日本全国津々浦々の木屋氏ファンをやきもきさせ続けている……というのがここ数年