国民の不安 先週の金曜日、野田総理が記者会見を行い、大飯原発の再稼働の方針を発表した。現在、福井県においては再稼働に向けた手続きが進みつつあり、今週中にも決定される見込みである。 政府は、安全は確保されていると結論づけているが、世論調査でも明らかなように、ほとんどの国民は依然として不安を抱いている。 国民の不安は当然である。 なぜなら、福島第一原発事故の検証は終わっておらず、その原因は何であったのか、事故発生時の政府、東電の対応に問題がなかったのかについて、未だ結論が出ていない。 さらに、本来であればその検証結果に基づいて、原子力安全委員会など専門家集団によって策定されるべき安全基準は、議論すら始まっていない。 また、保安院がこれまでの安全基準の延長線上で検討した30項目の安全対策に関し、完了している対策はわずかに過ぎない。このことは、想定されているリスクすら解消されておらず、非常事態が起