県立図書館における貸し出しと閲覧について、廃止検討を打ち出した県教育委員会。横浜、川崎の特色ある2館は、豊富な蔵書を誇り、半世紀以上にわたり県民の「知の拠点」という役割を担ってきただけに、利用者は困惑し落胆を隠せない。唐突ともいえる県教委の方針表明は、県の緊急財政対策のしわ寄せを受けた形。再考を求める声が広がっている。 緑豊かな落ち着いた雰囲気に包まれた横浜市西区紅葉ケ丘の県立図書館。横浜市南区の男性(55)は「とても残念」と失望を隠さない。現在は失業中で、再就職に向けて週5日ほど利用し、コンピューター関連の本を読む。混雑しがちな近隣の横浜市中央図書館に比べて「静かで利用しやすく、気に入っていた。削るべき経費はほかにあるはず。なぜ図書館なんだ」と憤る。 同市戸塚区のアルバイト女性(21)も困惑する。月に1日ほど足を運び、本を借り、自習室で英検の勉強をする。地元にも図書館はあるが、「(県