「次がラストチャンス」――金星探査機「あかつき」(PLANET-C)が今年12月7日、金星周回軌道への投入に再挑戦する。2010年に行った最初の挑戦はエンジン故障で失敗。あかつきが再び金星に接近するタイミングで、再投入を試みる。「本来は5年前に成功していて当然のミッション。粛々と責任を果たしていきたい」と、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の中村正人プロジェクトマネージャは話す。 あかつきは、金星の大気の運動や雲の形成過程を観測を目的とした惑星気象衛星。地球とほぼ同じ大きさで、太陽からの熱入力も大差ない金星の気候を調べることで、地球への理解を深め、地球を含む惑星気象学の礎を築く狙いだ。 姿勢制御エンジンで再挑戦 打ち上げられたのは2010年5月。同年12月7日、金星の近くで軌道制御エンジン(主エンジン)を噴かせてブレーキをかけ、金星周回軌道に乗せる予定だったが、エンジンが故障して投入に失敗。