日本の電機産業が危機に直面している。デジタル化の進展に伴い、テレビなど家電製品は販売不振に陥り、半導体も競争力を喪失、自動車と並ぶ基幹産業にかつての勢いはない。一方で米韓勢などは攻撃の手を緩めない。デジタル企業はなぜ敗れたのか。再生の道は。第1回では稲盛和夫・京セラ名誉会長に電機業界の失敗の本質と処方箋を聞いた。 ――世界市場を席巻していた日本の家電・半導体産業の衰退が著しい。ソニーやパナソニック、シャープなど家電大手は2012年3月期決算で大赤字に陥り、エルピーダメモリは経営破綻に追い込まれた。転落の理由はどこにあるのか。