性犯罪によって産まれた少女は、放浪生活を続けながら母を犯した父を捜す――。ダークかつ衝撃的なプロットで、家族の絶望と再生を描いた映画『ネムリユスリカ』が11月19日(土)より公開されます。 物語の主人公は、母が15歳のときに男にレイプされ生まれた17歳の少女・夏芽。事件の後遺症で言葉は話せなくなった母と、介護が必要な祖父と共に車中生活を送る。ラブホテルでのマッサージという仕事をこなし、時折体を売りながら探偵費用を捻出する親子。その地をはう様な生活は観ているこちらまでグッタリと疲労感を感じるほど。 その不思議な映画タイトル『ネムリユスリカ』は、アフリカの砂漠に生息する昆虫に由来しています。乾期になると干からびて死滅するが、その幼虫は生き延び、雨季に蘇生するというその驚異の生命力に、監督はこの映画のメッセージを託したのでしょう。 辛く、残酷で、決して楽しく鑑賞できる作品ではありませんが、その映