本人が気にしているので私からは話題にしないし、帽子の下の秘密を事細かに知ろうと思ったこともない。 外出の際、背を向けてタオルから帽子にチェンジする時間は、こちらまで神妙な面持ちになる大事な儀式。 でもさそれにしてはさ。 寝ている時がノーガードすぎ。 タオル取れすぎ。 初めて見た時は、寝ぼけていたのか胡座かいたまま寝ていて、 処刑前の落ち武者みたいだった。 あの日わたしはチョンマゲが生まれた理由を知ってしまった。 天下分け目の戦いあっての現代ですよねとか 文明開化のなんとセンセーショナルなことでしょうとか いろいろ気づきを得たけれども、彼の繊細な心にはなんの役にも立たない感想ばかり。 帽子が良く似合う人で顔も精悍だから、落ち武者状態とのギャップは激しい。 髪の効果ってすごいね。 「ハゲていてもあなたが好き」と思うし、好きになった人がハゲていただけだし、一生一緒にいたいのだけど でもやっぱり彼