鳥取県は、日本の都道府県でいちばん人口の少ない県(58万人)として有名だ。 「人口が少ない」ということは「その県に生まれる」という確率も低いわけで、この世に鳥取県民として生まれるということは、宝くじに当たるよりも難しいことである。 したがって、鳥取県民はその「人口が少ない県に生まれた」という希少性をもってそのプライドのよりどころとしているひとは少なくない。 しかし、上京し、何かのはずみで世田谷区の人口を知った時の衝撃はすごい。「え? 区なのに、県より人口が多い? ということは鳥取県民として生まれるより、世田谷区民として生まれる確率の方が高いのか?! くそー、おれも世田谷区民として生まれたかった……せめて狛江でもいい……」 そんなことを思った上京した鳥取県民はぼくだけではないはず。