作家の三島由紀夫(1925~70年)が、1963年にノーベル文学賞候補としてスウェーデン・アカデミーに初推薦され、最終選考リスト一歩手前の候補6人の中に入っていたことがわかった。ノーベル財団が2日、公式サイトで発表した。ノーベル賞の候補者や選考過程は50年間非公開。その期間が過ぎたことから公開された。 財団によると、三島は63年、アイルランド出身でフランス在住の劇作家サミュエル・ベケット(69年受賞者)らと並び、6人まで絞り込まれたリストの中に入った。だが、「ほかの日本人候補と比べて優先されるほどの作家性がまだない」と判断され、3人の最終選考候補からは漏れたという。63年の文学賞は結局、ギリシャの詩人イオルゴス・セフェリスが受賞している。 63年に推薦された候補は80人。この中には4人の日本人がいた。三島以外の3人は、61年から推薦されていた川端康成(68年受賞者)と、58年から候補リスト